Denpatures(仮称)- 1


はじめに − 電信八号のすすめ

 電信八号(以下電八と略)は、メールの読み書きに使用するビューア・テキストエディタの選択からテンプレート(*1)、果てはショートカットキーまで柔軟なカスタマイズ(*2)が可能なメールソフト(以下メーラ)です。
 しかしその柔軟さ故に設定がちょっと難しく、「とっつきにくいメーラ」の印象を与える所以となっています。でもきちんと設定すればまさに目となり口となりで活躍してくれること間違いなしです。

 ここではそのハードルを乗り越える一助となるべく、電八のインストールから使いやすくするための設定までを解説していきます。

(*1) テンプレート:
メールを書くときの定型文。
(*2) カスタマイズ:
設定や操作を自分向きに直すこと。

インストールしよう

 まず最初に必要なのは、電八のアーカイブファイルを拾ってくることです。
 電八は作者である石岡氏のページから最新版をダウンロードできます。その他、窓の杜VECTOR SOFTWARE PACKなどにもあります。

 現時点での最新版は正式公開版がV321.1b7、開発版がV321.2b2です。新しもの好きでもなければ正式公開版の方をお薦めします。
 なお、ここで解説に使用しているバージョンは開発版であるV321.2b1ですが、正式公開版のV321.1b7でもほぼ同じです。バージョンによって違う箇所は注釈で示してあります。

 電八のアーカイブファイルは同一のバージョンでもいくつか種類があることがあります。よく分からない場合は「DLL付き」とあるものをダウンロードしてください。

 ダウンロードしたら、アーカイブを展開しましょう。展開する先が電八をインストールするフォルダになります。場所や名前は何でもかまいません。
 展開するソフトをお持ちでない場合はそれも合わせて入手してください。これも前述のページにあります(個人的にはLhasaがお薦め)。

 ここではLhasaで電八をインストールする手順を示します。

  1. 電八をインストールするフォルダを作成します。
  2. Lhasaをまだインストールしていなければ、入手してインストールします。
    この際「デスクトップにショートカットを作る」をチェック(「レ」点がついた状態)してください。


  3. インストール後、またはLhasaのアイコンをダブルクリックすると表示される設定ウィンドウの「出力先」に、先ほど作成したインストール先のフォルダを指定して“OK”をクリックします。また、「フォルダ自動生成」は空白(「レ」点のチェックを外した状態)にしてください。


  4. デスクトップ上にあるLhasaのアイコンへ電八のアーカイブファイルをドロップします。
    先ほどのフォルダにファイルができているのを確認したら、インストールは完了です。

最初にする設定

電信八号アイコン

 起動はインストールしたフォルダにある denshin8.exe をダブルクリックします。
 これのショートカットをデスクトップやスタートメニューに置くと便利ですが、とりあえずそれは後にまわします。

 最初に電八を起動すると、サーバ設定のウィンドウが開きます。設定を忘れるとメーラの役をまったくなさなくなりますから、ここで必ず設定しましょう。
 以下に各項目で設定すべき内容を示します。

 なお、ここではダイヤルアップ接続を前提に解説します。LAN上のメールサーバを利用する場合の設定は別途脚注をご覧ください(脚注のないところはダイヤルアップと共通です)。

サーバ設定のウィンドウ
●この設定の名前
まずここに設定名を入力しましょう。設定名は後々メールサーバの選択で使うので、プロバイダ名を入れておくのが分かりやすいと思います。
●POP3サーバ・SMTPサーバ
POP3は受信、SMTPは送信とそれぞれに使用するサーバ名を入力します。これは通常プロバイダ(*3)から指定されますので、それを入力してください。プロバイダから単に「メールサーバ」として1つの名前を指定されている場合は、両方に同じ名前を入力してください。
●自ホスト名
ここには自分のコンピュータ、つまり今電八を動かしているコンピュータの名前が入ります。ダイヤルアップの場合、半角英数字であれば適当に名前をつけてかまいません(*4)
●POPログイン名・POPパスワード
それぞれメールサーバにアクセスしてメールを読み出すためのIDとパスワードです。これもプロバイダから指定されるもので、ほとんどのプロバイダではダイヤル接続に使うものと同じものになっているはずです。
●受信後もサーバ上のメールを削除しない
これは必ず空白の状態(「レ」点のチェックを外した状態)にしておいてください。そうしないと受信したメールがいつまでもサーバに残ってしまい、何度も同じメールを読む羽目になります。
●メールアドレス・実名
読んで字の如しで、自分のメールアドレスと名前を入力するところで、ここに書いたメールアドレスと名前が相手に表示されるわけです。名前は漢字で書くこともできますが、なるべく半角アルファベットでローマ字表記にするのをお薦めします。
●巡回先
とりあえず今は空白のままにしておきます(これはV321.1b7以前のバージョンにはない項目ですので、なければ気にしないで先に進んでください)
●受信日本語コード・POPポート・SMTPポート
残るこれらの項目は必ずそのままにしてください(*5)。ほとんどのプロバイダではこの設定を変える必要はありません。

 設定が終わったら“OK”ボタンをクリックします。

(*3) プロバイダ:
LANの場合はネットワーク管理者になります。以下同様に読み替えてください。
(*4)
LAN上のメールサーバを利用する場合は、ネットワーク管理者から貰ったマシン名を入力してください。貰っていない場合はダイヤルアップと同様です。
(*5)
LANではセキュリティ対策のためポート番号を変えている場合があります。その場合はネットワーク管理者に指定された番号を入力してください。特に指示がない場合は気にしないのが一番です。

自動ダイヤルの設定

 これで一応電八が使えるようになりました・・・が、その前にあと一つだけ設定することがあります。自動ダイヤルの設定です。
 電八はメールの送受信時に回線が接続されていない場合、自らプロバイダにダイヤルして接続する機能を備えています。しかし接続先が分からなければどうにもなりません。ここではその接続先を設定します。

 なお、LAN上のメールサーバを利用している場合はこの章を読み飛ばして次に進んでください。

 まずメニューより「設定(O)」−「自動ダイヤルの設定(D)...」を選択します。

自動ダイヤル設定のメニュー

 設定ウィンドウが開きましたら「PPP接続名」をクリックします。Windowsの「ダイヤルアップ ネットワーク」にある設定が一覧で表示されるので、そこから利用しているプロバイダの設定を選択します。
 接続の設定を選択すると、下に「ユーザ名」「パスワード」の項目が現われます。それぞれにダイヤル接続に使うIDとパスワードを入力します(*6)

 左下にある「ハングアップもする」は、チェックしておくと(「レ」点をつける)接続してメールの受信が終わったらすぐ回線を切るようになります。これは好みに応じて設定してください。よく分からない場合はチェックを外しておきましょう。

 設定が終わったら、先ほどと同様“OK”ボタンをクリックします。

自動ダイヤル設定のウィンドウ
(*6)
メールの受信に使うものとは違うことに注意。と言っても前述の通り大抵のプロバイダではどちらも同じだったりするのですが。

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